私が独身時代に暮らしていた地域には無料の温泉場がいくつもありました。ここのお湯はアトピーなどの皮ふ炎や関節炎などに大変効果があるようで、入るとお肌がツルツルになります。

きっと地元の方々が管理してくださっていたのだと思います。そのため、午前中の早い時間に行くと、お湯の入れ替えをしていたり、掃除中だったりして入れないことがありました。

その時に初めて「何でも管理してくださる方がいるのでみんなが気持ちよく温泉を楽しめるのだなぁ」と思い、無料とはいえ改めて感謝の気持ちの大切さを感じたものです。

私がお気に入りの温泉場は観光客にも人気で、多い時にはまさに芋の子を洗うという感じでした。

無料温泉の主-地元の名物おばちゃん

どの地元の温泉にもいわば主と言われるおばちゃんたちがいます。

それはお湯の入り方などのマナーに関していろいろとおせっかいを焼いてくれる世話好きなおばちゃんたちのことです。

そこの温泉は強度の酸性のため、石鹸やシャンプーを使っても全然泡立ちません。そもそも石鹸を使わなくても十分洗浄効果があることやその他の理由から石鹸などを使おうとする初心者を見かけるとおばちゃんのお説教が始まります。

お湯は源泉からの直接のお湯と、水を加えて少し入りやすいお湯に分かれています。初心者が源泉の方に浸かろうとすると、源泉の方は熱すぎて入れないので、まずはお水を加えた方に入るようにと勧めてくれます。

私も最初の頃はお説教を受けましたが、そのうち地元のマナーに従って入るようになったら地元の人間と認識してもらえたらしく、源泉の方に入っても何とも言われなくなりました。