田舎暮らしでは隣組(となりぐみ)というのがあって、それぞれの組に組長さんがいて普段のお知らせは回覧板でまわってきます。
一年に何度か行う道路愛護などのお掃除もこの隣組で行ないます。

普段勤めていたので地元の人達ほどしょっちゅう行ったり来たりするわけではありませんでしたが、やはり普段から笑顔であいさつをしたり、声を掛けるように心がけていました。

とりわけ道路愛護は隣組の人たちに自分の存在を知ってもらう機会なので、集合時間よりちょっと早めに到着して、元気よく挨拶するように心がけていました。

この道路愛護、けっこうな重労働で国道のゴミ拾いはもちろんのこと、道路脇の雑草を刈ったり、泥をスコップでかき集めたりします。しかもかなりの距離をそのように清掃します。

その為か実は地元の人達もあまり出たがりません。出ないと罰金で、当時数千円払わなくてはいけない事になっていました。それでも、やはり出てこないと隣組の人たちからの評判は悪くなります。

そんな訳で私はこの道路愛護には特別な事情が無い限り積極的に参加するようにしていました。

そのうちご近所の方が自家製の佃煮などお手製のものを持ってきてくださるようになり、自分も隣組の一員として受け入れてもらえるようになっかのかなと実感するまでになりました。

いざという時に助けになるのが隣近所

ある時、その日は朝からものすごい雨だっだのですが、早めの時間にお風呂に入って出てくると何やら外が騒がしいではありませんか。

何事かと思えば外で「誰かいますかー?」と大声で叫びながらドアを叩く音がします。

「はい、います」といってドアを開けようとするとドアがビクとも動きません。するとまた外から「浸水してますよ~!」という叫び声が聞こえてきます。

何が何だかよく分からず、とにかく裏側のドアから外に出てみると確かに表玄関側とガレージが床下浸水しているではありませんか。

原因は家の作りの問題と道の排水口が土砂の影響でふさがったことによる現象でした。我が家は坂の下の道より低いところに建っている為、下ってきた鉄砲水が直撃してしまったのです。

それでもご近所の方が知らせてくださり、また地元の自治体などに連絡してくださったことによって比較的早期に問題が解決しました。

こうした経験を通して、普段からご近所との良い関係を築いておくことの大切さをしみじみと実感しました。