田舎の小学生、特に低学年の子どもたちはランドセルに鈴を付けて登下校します。子どもたちの鈴の音が聞こえると近所の子が帰ってきたというのが分かります。

鈴はいわゆる防犯ベルの役割をします。と言っても人からではなく、クマから子どもたちを守るためです。

普通クマは人のいる所に自分から近づくことはないと言われています。それなので、山を歩くときには携帯ラジオを付けておくか鈴を身に付けて歩くと熊よけになると言われています。

ただし最近は環境の変化で山に食べ物がなくて、クマたちも仕方なく人里に降りてくるというニュースを聞くことがあります。
私が住んでいた地域も例外ではありませんでした。

国道をクマが歩いてたのを見かけたという人もいれば、近所の小学校のプールの脇をクマが歩いていたと言う人もいます。それで地元の子供たちも登下校の際にクマから身を守るためにランドセルに鈴を付けているのです。

私はクマには遭遇しませんでしたが、山歩きには用心が必要だと感じたことがありました。それは・・

山でイノブタに遭遇した!

私が住んでいた家から上の原っぱまで細い農道がありました。ちょっとした上り坂なのですが、雑木林に囲まれた道を歩くと気持ちがいいので時々一人でウォーキングすることがありました。

ある日の朝のことです。目の前の崖を見たことのない物体が歩いています。次の瞬間にはその物体がものすごい勢いで崖の向こうに走り去って行きました。

私の方は一瞬固まってその後どっと冷や汗が出てきました。

クマではなかったのですが今まで見たことのない生き物で、豚のような大きさで黒っぽい灰色の生き物です。

あとで近所の人の飼っているイノブタが逃げ出したという噂を聞いたので、あれがイノブタだったと分かり少しホッとしました。それでも、もしクマだったらと思うととても怖くなり、その後はウォーキングでその山道を歩くのをやめました。

もし春の山菜取りや秋のきのこ狩りなどで山に入ることがある場合には、クマよけにぜひとも鈴を付けて入りましょう。またもし山で子グマを見かけた場合、可愛いからといって近づいたり写真を撮ったりせず、すぐにその場を立ち去るようにしましょう。

なぜなら子グマのそばには必ず母グマがいて子グマを守ろうとして攻撃してくることがあるからです。実際こうした一見何気ないように思える行動が命にかかわることさえあることを覚えておきましょう。