初めて田舎暮らしをしてまだ間もない頃、右も左もよくわからないので近くに行くにもその辺の畑仕事をしている人に声を掛けて道を尋ねていました。
すると「すぐそこだから」と言わるままに車を走らせるのですが、なかなか目的地に到着できません。諦めかけて引き返そうと思う頃に言われた通りの場所にたどり着くことが頻繁にありました。
最初の頃はその感覚の違いをなかなか受け入れられなかったのですが、生活しているうちに段々と分かるかるようになりました。
田舎の「すぐそこ」感覚の理由
一つの理由として田舎の道は信号が少ないことです。
見通しの良い真っ直ぐの道だと車のスピードもいい感じに出てしまい、慌てて減速することがあります。この点は信号が多く渋滞しやすい都会の道を走る感覚との大きな違いだと思います。
どこに行くにもとにかく距離があるので、片道10分くらい車を走らせる位であれば「ご近所」つまり、すぐそこということになります。
田舎は交通量が極端に少ないので時速60km走行です。10分走ると・・
・・という計算になるのです。(あくまでも計算値ですが)
都会から友人たちが遊びに来る際に一番近くのショッピングモールに買い出しに行くことがありましたが、そこまでは車を30分ほど走らせる必要がありました。
なおかつ峠を超える必要があったので最初はかなりの距離だと感じていました。しかし、慣れてくると遠いとは思わなくなり、逆にちょっとした気分転換にもなるので大変さはありませんでした。
知らぬ間に「すぐそこ」住民になっていた
ある時、都会の友人たちが車で遊びに来た際に、待ち合わせの場所から私の自宅まで10分程の所だったので「すぐそばだから」ということを私が言いました。
しかし、家に到着すると友人に「すぐだと思ったら全然すぐじゃなかったよー」と言われたことがありました。その時には私もすっかり田舎暮らしが身に付いてしまったと感じました。
田舎暮らしをしていると知らないうちに「すぐそこ」感覚が身に付いてくるのでしょうね。